「日本人の9割に英語は必要ない!」
「いや、英語はITスキルと同様だ。出来て当たり前。」
そんな意見に翻弄されながらも、いつかは英語ができるようになりたいと思っている社会人の方がたくさんいらっしゃいますよね。
「さぁ、英語の勉強をはじめよう!」
そう思ったときに、優秀な人ほどゴールから逆算し、
必要な勉強時間を計算し、綿密なスケジュールを立てますよね。
忙しい毎日を過ごしている社会人は、毎日の計画や中・長期的なスケジュールを立てないと、絶対に勉強時間を確保できません。
この記事では、「今度は絶対に英語を習得してみせる!」とやる気満々の方のために、必要な勉強時間や学習計画の立て方などをお伝えします。
英語習得に必要な時間は1,000時間?
英語を習得するには、1,000時間の勉強が必要。
そんなデータが最近はひとり歩きしていますね。
これは、アメリカ政府の外務職員局(The Foreign Service Institute)が発表しているデータに基づいています。
が、ちょっと注意が必要です。
トータル1,000時間は甘い、甘すぎる!
外務職員局(以降FSIと呼ぶ)のデータによると、英語のネイティブ・スピーカーが日本語を習得するまでに必要な時間は、2,200時間です。
FSIは、1947年から外交官の養成のために外国語の訓練をしてきた機関で、2,200時間というのは、70年以上の実績に基づいたデータです。
ではなぜ1,000時間という数字なのでしょうか?
それは、日本の学校教育では、約1,200時間の英語授業を受けるため、単純に2,200時間から1,200時間を引き算した残りが1,000時間ということです。
僕は、FSIで授業を受けたことがないため、具体的なことは言えません。しかし、外交官向けのレッスンですから、日本の学校で行う英語教育よりもはるかに実践的・集中的なはず。
単純に1,200時間を引き算して、キリのいい1,000時間とするのは納得できません。
多めにみても半分の600時間。いえ、3分の1の400時間。
いや、外交官という元々エリート集団が2,200時間なのですから、学校教育の時間は考慮しない0時間で見積もりたいです。
大切なのは、2,200時間のレッスンを受ける期間
あまり語られていないのは、この2,200時間をどのくらいの期間で受講しているかということ。
例えば、2,200時間を1年で受講するのと、10年で受講するのでは、1日の勉強時間が全く違いますよね。
1日に必要な勉強時間は、3時間35分(週7日計算)
FSIの答えは、
2,200時間を88週間で
とあります。
1週間に換算すると、25時間。(2,200 ÷ 88 = 25)
土日祝も含めて、これを1日に換算すると、3.571時間。(25 ÷ 7 = 3.571…)
つまり、3時間35分です。
家族サービスなどで土日は勉強時間をとらないとしたら、1日5時間(25 ÷ 5 = 5)です。
1日に3時間35分(または5時間)も勉強してたどり着けるレベルは?
もう一つ肝心なことは、いったいそれだけ勉強して、どれくらい英語ができるようになれるのか?
ということですよね。
Professional working proficiency is the fourth [sic] level of five in the Interagency Language Roundtable (ILR) scale of language proficiency, formerly called the Foreign Service Institute (FSI) scale. This level is sometimes referred to as S-3 or Level 3.
A person at this level is described as follows:
- able to speak the language with sufficient structural accuracy and vocabulary to participate effectively in most formal and informal conversations on practical, social, and professional topics
- can discuss particular interests and special fields of competence with reasonable ease
- has comprehension which is quite complete for a normal rate of speech
- has a general vocabulary which is broad enough that he or she rarely has to grope for a word
- has an accent which may be obviously foreign; has a good control of grammar; and whose errors virtually never interfere with understanding and rarely disturb the native speaker.
簡単にいうと、英検1級レベル。
NHKの「実践ビジネス英語」を問題なく理解できるレベルくらいでしょう。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で言えば、C1です。
英語学習のための時間管理術
では、1日3時間35分をどうやって捻出すればいいのでしょうか?
僕たち社会人は、学生でもなければ、「英語学習が仕事」のYouTuberやブロガーではありません。
狂ったように英語学習に時間を投入できる人達の意見は参考にならないのです。
僕のおすすめは早朝学習
社会人にとって誰にも邪魔されず、コンスタントに勉強に励める時間帯。それは朝、早朝です。
睡眠で頭の中が整理され、脳が一番フレッシュな状態にある朝の時間を有効に使うといいです。
夜型の人は、夜の時間帯に勉強しても良いのですが、職種によっては急な接待や同僚・上司と飲み会が入ったりすることがありますよね。
そうなると、せっかく勉強の習慣が身について来たのに、リズムが狂う可能性が高くなります。
毎日、同じ時間に勉強をスタートすることが習慣化のコツ、最も継続しやすい方法です。
成功者はみんな早起き
早朝に勉強する習慣をつくると、英語学習以外にも効果が出てきます。社会人になると生涯勉強しつづける習慣を持つことが必須の時代になってきました。
ライバルがまだ寝ている時間に、数値で表現できるような実績をつくることを目標にしてコツコツとスキルを高めている人がどれくらいいるのでしょうか。
「成功者」のアドバイスには、必ずといっていいほど、早朝時間を有効に活用することが挙げられます。
例えば、作家の村上春樹さんや世界的な経営コンサルタントの大前研一さんも朝4時~5時に起床する習慣があります。
早起き関係でオススメの本はコレ:
高井伸夫さん著:『朝10時までに仕事は片づける』
英語の学習計画を確保するスケジュール表
仕事をしながら勉強習慣を身につけるには、やる気だけではむずかしいものです。
なぜなら、
邪魔
がいっぱい入るからです。
だからこそ、出勤前の早朝時間を使うことをおススメするわけです。
しかし、
「どうも朝は弱い・・・」という方もいらっしゃるでしょう。
早朝に勉強することをおススメしているのは、邪魔が入りにくく、計画が崩れにくいのです。
ということは、
夜でも計画が崩れないように英語の勉強を習慣化できればいいんですよね。
例えば、
綿密なスケジュール表を作って、なんとか1日3時間35分の勉強時間を確保する・・・
単純に考えると、
- 夜8時から深夜0時までの4時間を勉強に充て、10分程度の休憩を2回取る
- 朝30分程度でよいので、勉強時間を確保する
- 通勤時間・移動時間などのスキマ時間を活用する
自分の生活リズムに合わせて、勉強する時間を確保してみましょう。
しかし、これができる人は全体の1%もいないのではないでしょうか。
英語を絶対に習得しなければ、非常に困る状態にないと、ここまで厳しいスケジュールを死守することはむずかしいです。
逆にいえば、そんな状態にあれば、誰でも英語を習得できます。
では、普通の人はどうしたらいいのでしょう。
習慣化のプロは言う「3時間35分?いや『30秒』だよ!」
無理なスケジュールを立てて、続かないのでは全く意味がありません。
英語学習のような長期的な戦略を必要とするスキルは、学習を継続することを目標にするのがコツです。
そこで大事なポイントは2つ。
- 英語の勉強をスタートする簡単な「アンカー」を見つける
- (最初は)勉強時間を短く設定する
では、一つひとつ解説しますね。
勉強開始の秘訣は「アンカー」
野球選手がバッターボックスに入る前に行う「お決まりの動作」を「アンカー」または「アンカリング」といいます。
「アンカー」というのは、イカリ(錨)という意味です。
イカリを下ろすかのように、ある行動をすることで、僕たちが望む心理的状態になるということなんですね。
慣れてくれば、意識しなくても「アンカリング」できるようになりますが、そんなことをやったことがなければ、「アンカー」さえ忘れてしまいますよね。
ということは、毎日必ず行う動作を「アンカー」にして、それを勉強に入る「発端」「きっかけ」にしたらいいんです。
具体的には、
- コーヒーをカップに注いだとき
- ノートパソコンを開いたとき
- 書斎のデスクに向かった瞬間
など。
毎日必ずとる行動をリストアップしてみてください。
そして、その行動が
- 勉強につなげやすいか?
- 勉強しやすい時間帯か?
という点を考慮した上で、それらを英語の勉強をする「きっかけ」にすればいいんですね。
僕は、朝一番にコーヒーを作り、それを書斎の机の上に置いた瞬間を「きっかけ」にしています。
最初は勉強時間は30秒
「まず15分勉強してみよう!」
「1分間~」
といったものと同じ考え方ですが、30秒でも同じ効果があります。
30秒でできることって限られていますが、
- 新しい単語を一個だけ読み上げる
- TEDの動画を30秒だけ観る
- 昨日覚えた単語を1個だけ紙に書いてみる
- 洋書を1行読んでみる
- フレーズ集から一文だけ読んでみる
など。
30秒でできることを何でもいいのでピックアップしてみてください。
「アンカー」をキッカケにして、この30秒の学習を毎日続けること
それを3日間つづけてみてください。
できない日があったら、また3日間連続するまでやってみる。
3日間連続を3回できたら、習慣になる下地ができている証拠です!
いきなり最初から完璧を目指さず、楽しみながら継続することにフォーカスすれば確実に英語力を伸ばしていけますよ!
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[…] […]
[…] 日本人は義務教育の段階で1000時間ほど英語学習に費やしていますので、残り1200時間ほどは追加で学習が必要とされています。(出展:英ハビ) […]