僕が最も多く受ける質問は、
「あの、聞き流すだけで・・・ってやつ、本当に効果あるの?」
です。
で、これまでの僕の回答は、
「いやー、ほんとのところ聞き流すだけでは無理だと思います。」
だったのですが・・・
もう少し深掘りして考えてみると別の結論が出ました。
結論:「聞き流し」でも効果あるんじゃないの!
今回は、この結論に至った理由をお伝えしますね。
英語力をアップするために「聞き流し」は効果的?!
真剣に英語学習に取り組んでいる人に、「聞き流し」という言葉を発すると・・・
「聞き流すだけで、できるようになるなんて無理に決まっているじゃない!」
という反応が返ってくることがほとんど。
質問した人も、その反応を聞いて「やっぱりね」と言われます。
「そんな夢みたいな話、本心では信じたい。だけどダマされたくない。」
という心理が働いているんですね。
「スピードラーニング」体験者には効果を出している人もいる?
「スピードラーニング」の公式サイトの体験談を読んでいると、実際に効果のあった人もいるようです。
書いてあることをそのまま鵜呑みにするほどナイーブな人は少ないでしょう。
しかし、もし本当に効果があるとしたら・・・「聞き流すだけで英語ができるようになる」というのは魅力的です。
実際に聞いてみて「スピードラーニング」をおすすめする3つの理由
僕は「スピードラーニング」を聞き流して、100%理解できる英語上級者です。
48巻すべてを持っていて、暇つぶしに聞いてみて「スピードラーニング」をおすすめする理由が2つあります。
- アメリカ文化の知識がつく
- 25年間の販売実績とサポート体制
- 話題性がある
各項目について、もう少し詳しく説明しますね。
アメリカ文化の知識
「スピードラーニング」は英語の教材なのですが、言葉を理解する際に必要なのは、言葉の知識だけではありません。
例えば、リスニングが苦手な時期に、相手が何のことについて話しているのかを想像・推測する力があるのとないのでは、理解度が全く異なります。
コミュニケーションをとっている相手のことに興味や関心を持つことほど大切なことはありません。つまり、英語圏の文化に詳しいことは、英語力をアップする上で超重要なことなんです。
僕も英語を本格的に習い始めたころ、アメリカの文化や歴史に関する本を読み漁りました。
その頃、ラップが流行っていたのと、尊敬する教授が黒人文学を専門とされていたので、必然的にアフリカ系アメリカ人(黒人)がどのようにしてアフリカから奴隷として連れてこられたのか。
アメリカ南部から黒人が北部に逃走する話など、非常に興味深く学んだのを覚えています。
こういった知識があることが、アメリカ人と会話する際に役に立つんですね。相手にとっては当たり前の知識が、僕たちには欠けている。その部分を補ってくれるのが、「スピードラーニング」の中身・内容です。
7月4日の独立記念日のことやハロウィンやサンクスギビング、アメリカの大統領選挙の仕組みからアメリカで新しい家を買う話まで、多種多様でおもしろいんですよね。
(日本語だけで聞いてもいいかも・・・)
言葉を理解するために必要なのは、「英語」という言語だけじゃなくて、それ以外の文化的な知識も大切なのです。
25年間の販売実績とサポート体制
「スピードラーニング」は1989年から販売開始された超ロングセラー商品です。
著名人を採用した宣伝が功を奏し、数年前にグッと注目度があがりました。
ですが、つい最近販売し始めたばかりの「怪しい」会社が運営しているものとは違い、サポート体制などがしっかりしています。
特に電話英会話サービスの「フリートーク」と「リッスン&リピート」を活用したり、同じ受講者同志のコミュニティ・イベントに参加することで、学習したことを実践に移す仕組みもあるんですよね。
(僕は上級者なので、参加することは遠慮していますが、もしフランス語にも同様のサービスがあるのなら、参加してみたいと思います。)
学びを実践に!これが一番効果的です。
話題性がある
「スピードラーニング」について批判したり、バカにしたりする人と遭遇することはあるのですが、本気でやっている人に出会ったことがありません。
もしそんな人に出会ったら、メチャクチャ会話がはずみそうでワクワクします。
批判ばかりして何の行動もおこさない評論家タイプと、何でも果敢に挑戦する行動派タイプの人、どちらの人になりたいかと聞かれたら、やはり行動派ですよね。
本気でやってみて効果がなかった人はいないはずなんです、どんな教材でも。
「これ、やってみよう!」と思って買ってみたけど、ほとんど教材を活用することなく、
「より簡単そう」で「すぐに」上達できそうなものに心を奪われてしまう。
甘い声にそそのかされてしまうんですよね、人間ですから・・・
僕もそうです。何事も、崖っぷちに立たされるまではなかなか行動に移せません。
そんな自分の習性を知っているか、知らないか、そこに初心者が英語を上達する秘訣が隠されていると信じています。
「教材コレクター病」にかからないように気を付けて、「スピードラーニング」と決めたら、集中して本気で取り組んでみると結果が出るはずです。
「聞き流し」をおすすめするのはこんな人
「スピードラーニング」という教材に限らず、いわゆる「聞き流し」という勉強方法についてはどうでしょうか。効果はあるのでしょうか。
僕は効果はあると思います。
ただし・・・
本気で取り組みたい人にとっては、投入時間に対する成果は低いので、効果を感じられる人たちは:
- 本当は英語が嫌いなのではなく、文法や英単語の暗記が嫌いな人
- 「聞き流しても」理解できる上級者
文法や英単語の暗記が嫌いな人
中学・高校の英語という教科のせいで、英語に苦手意識を持ってしまった人って多いですよね。むずかしい文法用語と長文読解を強いられて、使いもしない英単語を覚えたかどうか片っ端からテストされる。
「こんなことをやって意味があるのか・・・」
って感じますよね。
「教養としての英語」と「実用英語」がごちゃまぜになった英語という教科は、どこを目指しているのかよくわかりません。
英語アレルギーを持ってしまった人たちにとって、「いつかはやらなきゃ」「話せたらいいな」と思っている英語を聞き流すだけで話せるようになるというのは魅力的ですよね。
「話せるようになる」というのは誇大広告で、途中の過程をスキップし過ぎだと思いますが、苦手意識をなくして、英語に触れる時間を増やす目的のために、「聞き流し」は効果抜群です。
だって、簡単ですからね。聞いていなくても音声や動画を流すだけでいいんですから。
しかも、インターネットやスマートフォンが普及したお陰で、無料で質の高い素材(教材)がカンタンに手に入るようになりました。
僕が英語を真剣に学びはじめたころは、教材が高かったので、学校のカセットテープを借りてきて、テープが擦り切れるくらい聞きまくっていました。。。。
(過去を知らない人には全く説得力のない話ですが・・・)いまは学習しやすい環境に恵まれていますし、今後さらに良くなるでしょうね。
「聞き流しても」理解できる上級者
英語の上級者であれば、普段の生活から「聞き流し」ているはずなので、特におすすめする必要はないですね。
ただ、
上級者として英語力を維持したい!
と思っているなら、さまざまな無料・有料サービスを活用するとさらにネイティブ・レベルへと近づくことができます。
自転車の乗り方を一度覚えたら、乗らない期間があってもすぐに乗れるようになります。でも、世界一のサイクリストになろうと思ったら、毎日の鍛錬が欠かせないですよね。
毎日の鍛錬という意味で、負荷の低い「聞き流し」でモチベーションを高められるのではないでしょうか。
初心者必読! 「聞き流し」をする前に、リスニング力を飛躍的にアップさせる3種の知識
「聞き流し」は、さほど効果がないと言われていますが、事前に3種類の知識をインプットしておくと劇的な差がでてきます。
では、それらを紹介しましょう!
- 英語特有の「音」
- 音が変化する法則
- 語彙力(これは「聞き流し」しながらパワーアップしていきましょう!)
英語特有の「音」
英語にしかない音、ということは、日本語にない音ですね。
母音と子音の個数の違いを2つの言語で比較すると
母音 | 子音 | |
---|---|---|
日本語 | 5 | 16 |
英語 | 20 | 24 |
発音記号で表すとこんな感じです。
/iː/, /ɪ/, /e/, /æ/, /ʌ/, /ɑː/, /ɒ/, /ɔː/, /ʊ/, /uː/, /ɜː/, /ə/, /eɪ/, /aɪ/, /ɔɪ/, /əʊ/, /aʊ, ɑʊ/, /ɪə/, /eə/, /ʊə/; /p/, /b/, /t/, /d/, /k/, /g/, /ʧ/, /ʤ/, /f/, /v/, /θ/, /ð/, /s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/, /h/, /m/, /n/, /ŋ/, /l/, /r/, /w/, /j/
/a/, /i/, /u/, /e/, /o/; /j/, /w/; /k/, /s/, /c/, /t/, /n/, /h/, /m/, /r/, /g/, /ŋ/, /z/, /d/, /b/, /p/; /N/, /T/, /R/
明らかに英語の方が数が多いです。
だから、英語を聞き流しても、日本語にない音はすんなり頭に入ってこないんです。
あらかじめ、これらの音がどんな音かを知っておくと、違いますよね。
例えば、/æ/ の音。
遠い昔、この音がわかっていなかったために、恥ずかしい思いをしたことがあります。
I’m hungry.(腹減った)
と言いたかったのに、ネイティブに聞こえたのは、
I’m angry.(怒ってるんだぞ)
でした。
発音する方が難しいかもしれませんが、聞き取りだって難しいですよね。
LとRの区別は日本人の永遠のテーマです。
発音の知識なしにリスニングをすると遠回りになります。
誰が何と言っても、発音は大切です。
英語はプログラミング言語ではなく、話し言葉です。
読み書きやリスニングも上達したいですが、やっぱりカッコよく話したいですよね。
英語の「音」が変化する法則
英語の母音や子音を知っていても、話す人によって母音や子音がくっついて全く別の音になったりします。
このことを一般的に「リエゾン」「リンキング」と呼ばれます。
音の変化としては、
くっつくだけじゃなくて、
省略されたり、
弱くなったり、
全く別の音になったりするんです。
「えー、そんなの聞き取るの大変!」
と焦る必要はありません。
変化にはパターンがあるからです。
そのパターンさえ押さえれば、音が耳に自然と入ってくるので大丈夫です。
語彙力
初心者の方にとって一番耳の痛い言葉、語彙力(単語力)です。
これが足りないと何を言っているのか、さっぱりわかりません。
ただ、難関大学の受験対策用に覚えるような難しい単語を初心者のうちから知っている必要はありません。
だって、ネイティブの子供たちは、むずかしい単語を知らなくても流暢な英語を話しますよね。
初心者のうちは、自分が使える英語のレベルと精神年齢にギャップがあって当然です。
その苦しさがバネになって、英語力が飛躍的に伸びる人をたくさん見てきました。
必要最低限の英単語、中学校で習う英単語プラスアルファくらいをまずは習得してみてください。「聞き流し」ていても聞き取れる割合が高くなるので、おもしろさが倍増します!
認識できないものは聞こえない
リスニング力を飛躍的にアップさせる3種の知識が必要なのは、聞き取れる音を増やし、
聞き取った音とその意味を結びつける力をつけるためです。
英語の音をずぅ~っと流し続けていても、その音が何を意味しているのかを認識できなければ、言語として理解不能ですよね。
「聞き流す」前に、まずこれらの3種の知識をつけてみてください。
但し、
これらの知識(語彙力を除く)をつけるのに、一週間以上もかかるのであれば、すぐさま「聞き流し」を始めたほうがいいです。
「習うより慣れよ」です。
始めてみないとわからないことって世の中にはたくさんありますからね!
そう、Just Do It! です。