TOEIC(トーイック)満点は、990点。
企業にもよりますが、新卒で600点くらい、海外駐在員レベルで730~860点です。だから、900点以上取得できる人は、かなり英語がデキル人だと認識されます。
ところが、「TOEICで900点以上のスコアを取れる人であっても、英語が話せない・・・」そんな噂を聞いたことありませんか?
「えぇ~、勉強しても話せないんだったら、TOEICで高得点を取っても意味ないんじゃないの?」
「それなのに、なんでTOEIC、TOEICって騒いでるの?」
と不思議に思っているのではないでしょうか?
そうなんです。TOEICで900点以上取得しているのに、英語を話せない人たちは実在します。
しかし、TOEICで高得点を取ることは、無意味ではありません。それよりも、英語系の資格試験の中で、「TOEICは最も費用対効果が高い」と断言します!
みんながそのことに気付く前に、ぜひTOEIC900点以上を取得し、活用して欲しいです。しかし、その過程にはいくつかの落とし穴が待ち受けています。
そこで、この記事では、落とし穴にはまらないために注意することや、そもそもTOEIC900点ってどれくらいの英語力なのか、などについてお伝えします。
ただガムシャラに高得点を目指してTOEICにのめり込む前に、もう少し広い視点から全体像を把握してからスタートされることをおススメします。
TOEICで900点以上の人たちは、どの位の英語力なのか?
実は私、2017年11月のTOEIC L&R公開テストで、TOEIC満点(990点)を取得しました。
その後に何度か受験して、継続して990点を取得し続けています。
しかし、
「どんな映画でもを字幕なしですべて理解できる?」
と聞かれると・・・
完璧にすべてを聞き取れて理解できるかといえば、ウソになります。
また、
「洋楽を一発で聞き取れるの?」
って聞かれると
「う~ん、正直言ってよくわからない・・・」
「でも発音がハッキリしているCNNニュースなどのニュース番組ならバッチリかな」
だから、ネイティブ・レベルに近いバイリンガルの人たちからすれば、私は「英語が聞けない・話せない人」に分類されるハズ。(・_・;)
結局は、「英語が話せない」と言っても、比較する相手によって全く異なるわけですよね。
私のように英語圏に留学したという理由だけでTOEICの得点が高く、話す度胸がある人たちがいる一方で、英語圏に一度も長期滞在したことがないのに、日本でコツコツ勉強して900点以上を達成された方々も一定数います。
日常生活で英語に触れることが全くない状態で、TOEICの勉強だけに専念されたとしたら、英語を話せないと思っている人が多いはずです。
なぜなら、990点が満点として知られているTOEICは、別名TOEIC L&Rと呼ばれていて、要するにリスニング(聞く力)とリーディング(読む力)だけのテストですからね。
4技能(読む・聞く・話す・書く)を計測するためには、TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)も受験しないといけません。となるとTOEIC満点は、本当は1,390点になります。
でも、TOEIC S&Wはまだ人気がないので、TOEICの点数を言うときには、L&Rのスコアだけに限っている場合がほとんどです。
つまり、TOEIC L&Rで高得点を取れる人は、聞く・読む力は高いことが実証されているけど、話す・書く力はテストされていないってことです。だから、TOEIC対策だけに取り組んで、アウトプットすることがなかった人が、英語をしゃべれる方が不思議です。
参考までに、L&RとS&Wの受験者数を比較すると、人気の差がハッキリとわかりますね!
<TOEIC Listening & Reading Test受験者数の推移>
2016年のTOEIC L&R受験者数は、約2,500,000人。
それに対して、2016年のTOEIC S&W受験者数は、約32,000人です。つまり、L&Rの約1.3%しか受験していないんですね。2017年は少し増えましたが、それでもまだ約38,000人(約1.5%)です。
<TOEIC Speaking & Writing Test受験者数の推移>
(TOEICの公式サイトには、他にもさまざまな公式データがあります。)
「TOEIC900点以上の人たちの中に、英語を話せない人がいる」のはホントかもしれませんが、「TOEICの点数なんか低くても話せます!」という人達と比べると難しい(大人の)単語を使っていたり、文法的にミスの少ない文章をつくれる人が多いですよね。
「中学英語で十分だ!」と私も叫んでいた時期があります。それは、変なプライドや失敗への恐怖心をなくすために叫んでいただけで、本心を言うと・・・
中学英語で満足している場合ではありません!
日常生活の中で英語を使わない環境の中で、コツコツと努力してきた人たちは、やはりスゴイんです。留学して英語力が必然的に伸びたからといって、生意気な口をたたき慢心していると、日本に住んでいる限り、ネイティブの方と毎日会話するような恵まれた人以外は、英語力は確実に錆びつきます。(私自身が痛いほど感じていることです。。。)
「TOEIC高得点者に話せない人がいる。」
「TOEICは無意味」
「TOEICには価値があるのか・・・」
といった考えや疑問を言い訳にする前に、TOEICを一度受験してみましょう。
ほとんど毎月のように全国で開催され、受験料は5,725円(2018年6月時点)です。
英検1級は、8,400円で年に2回しか開催されないことを考えると、力試しには便利な試験なんですよね。
TOEICを英検やTOEFLなどの試験と比較すると
インターネットで「TOEIC 英検 比較」といったキーワードで検索すると、表示される検索結果に驚きます。
英検1級が、TOEIC870~970点と同等?!
絶対にそんなことはあり得ません。受験したことがない人や、そこまで英語力のない人が間違った情報を出しすぎです。。。
(英語学習に関するサイトは山のようにありますが、本当に確かな情報を発信している人は残念ながら少ないですよね)
最も信頼できる情報源として、私が選んだのは、文科省のこのデータです。(赤線は私が加えました)
詳細なデータは、英語の資格・検定試験の活用促進に関する行動指針(案)別添参考にあります。
2015年のデータですが、英検、IELTS、TOEFL、TOEICを受験したことのある私の感覚からしてもこの対比表は真実からズレていない気がします。
簡単にいえば、英検1級の方が面接がなかったとしても、求められる語彙力からしてTOEICより遥かに難しいです。別の例えをするなら、TOEICが「物理基礎・物理」のみの出題範囲なのに対して、英検は、「物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物」すべてから出題される。そんなイメージでしょうか。。。余計わかりにくくなったかも・・・(汗)
TOEIC900点の価値(魔法?)
スピーキングやラインティングの勉強をすることなく、周りの人たちからの評価を圧倒的に高める方法。それがTOEIC L&Rテストです。
「私はTOEICが990点です」
というだけで、「ほぉーっ!」と言われ、勝手に賢い人だと思ってくれます。
単に感心されるというだけではありません。
例えば、
- 大学入試の加点対象になっている
- 大学の授業料が割引される
- 大学の卒業要件になっている場合、余裕で卒業できる(TOEICの得点が足りなくて卒業できない学生たちがいるらしい)
- 就職活動のときにTOEICの得点を気にせず、超一流企業へ応募できる
- 転職時にもTOEIC900点と専門性があれば、怖いものなし!
- 昇進・昇給のチャンスあり
- 経験が少なくても英語力があると言う理由で、海外の駐在員としてお声がかかる
などなど、メリットがいっぱいありますね。
TOEIC900点くらいを目指して、あっという間に取得してしまいたいですね!
TOEIC高得点を目指す?その「道のり」で気を付けるべき落とし穴とは?
TOEIC900点取得というメリットだらけのゴールを設定したら、気を付けてほしいことがいくつかあります。
それは、
- デッドラインを決める(ダラダラと目指すと時間をムダにするから、1~2年で勝負!)
- 毎日15分でいいので取り掛かる(先延ばししない人は、着手が早い。たった15分と思って取り掛かると、気が付いたら1時間くらいは勉強してるはず。)
- あれこれと教材探しに迷わない(公式問題集をマスターすればいい)
- TOEIC以外の英語素材をYouTubeや海外ドラマ、洋画など、本場から仕入れる(TOEICの近年の出題傾向として、「自然さ」にこだわっているから)
- ライバルの存在を意識すると飛躍的に伸びる!(過去の自分と比べなさい・・なんてユルイことは言ってられない)
- 900点を超えたから、次は満点だと固執しない。(できる人ほど、満点に固執しません。TOEIC講師になるとしても、満点講師はウジャウジャいますから、特にアピールできることもないです。)
ぜひこれらのポイントに注意して、落とし穴にはまらないようにしてくださいねー。
この記事では、TOEIC900点以上がどれくらいの実力なのか、そしてこの試験の費用対効果の高さや、勉強する上での注意点について書きました。
グローバル舞台で活躍するために英語を極めるなら、TOEIC 900点以上取得することは、スタート地点に立っただけ。そんな感覚であることも覚えておいてくださいね!
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